2020年06月15日

外環シールド工事で、調布市域内の酸欠気泡噴出させる工法の見直しと住民説明会開催を求める申入書

 3月30日、野川べりの会と調布・外環沿線住民の会は、致死濃度の酸欠気泡を野川に噴出させる気泡シールド工法の見直しを求める申入書を事業者に送付し、酸欠漏気のメカニズムの提示、気泡シールド工法の安全性の証明、住民説明会開催等を求めました。

----------------------------------------------------------
2020年3月30日

国土交通大臣 赤羽一嘉 様
[写] 関東地方整備局 東京外かく環状国道事務所長様
[写] 東京外かく環状国道事務所 計画課長 木本悠太様
東京都知事 小池 百合子 様
[写] 東京都建設局 三環状道路整備推進部長様
中日本高速道路株式会社 代表取締役社長 宮池 克人 様
[写] 中日本高速道路株式会社東京支社 東京工事事務所長様
東日本高速道路株式会社 代表取締役社長 小畠 徹 様
[写] 東日本高速道路株式会社 関東支社 東京外環工事事務所長様

野川べりの会/ 調布・外環沿線住民の会


東京外かく環状道路本線シールド工事における、調布市域内の工法の見直しと住民説明会開催を求める申入書

 東京外かく環状道路の本線シールドトンネル工事は、地層が北多摩層から東久留米層にかわる調布市域において、気泡シールド工法に変更されました。3月7日に調布市の野川において、南行きシールドマシン掘削に使用される圧縮空気が大深度地下から野川水面に漏出する事象が発生し、谷戸橋傍の気泡は3月12日から激増し、26日現在、噴出量は減ったものの今も続いています。さらに、3月13日頃から谷戸橋上流約150m付近、19日頃から約450m付近(シールドマシンの前方約300m)にも噴出しています。

 2018年5月から7月にかけて世田谷区の野川に致死酸素濃度の酸欠気泡が噴出し続けたことを受け、世田谷区域内は気泡を使用しない工法を採用しましたが、今月2日から再び気泡シールド工法に切替えた途端に漏気が発生し、この事実を国・事業者は3月11日に外環プロジェクトHP上で公表しています。この間、2019年8月には練馬・大泉ジャンクションの白子川等においても同様の酸欠空気漏出を起こしており、今回が3度目の事象です。

 国・事業者は今回採集した気体の酸素濃度測定結果を未だ公表していませんが、住民が谷戸橋付近の気泡を採集して測定した結果は、1.4〜4.2%という一呼吸で死に至る低酸素濃度でした(詳細は添付1参照)。この値は2018年5〜7月に野川大正橋付近で発生した気泡の酸素濃度(1.5〜6.4%)と同程度であり、生命に関わる極めて危険なものです。谷戸橋付近の観測井戸2カ所、事業者敷地内の3カ所のボーリング孔における気体の分析や水質調査、敷地内に設置された振動計による振動測定等の結果、敷地内外における地表面変位測定結果(GNSSを含む)についても未公表であり、このまま調布市域で気泡シールド工法を強行することは断じて認められません。

 従前、国・事業者は、漏気抑制の手段があるかのように説明してきましたが、白子川の漏気以後、「添加材に気泡を用いた掘進は、空気の通り道等により漏気の可能性はある」と、漏気の完全抑制が不可能であることを認めました。今回使用のシールドマシンで、ガス(空気)を使わない工法(泥土加圧シールド工法)の実績が既にあるにも関わらず、地中・地表部への(酸欠)漏気を抑制できない気泡シールド工法を住宅密集地の真下で採用することは、大深度法違反であり、地上の住民の安全軽視と言わざるを得ません。

 厚労省から出された通達 基発第94号の2(平成7年2月24日)『シールド工事に係るセーフティ・アセスメントについて』では、酸素欠乏空気は密閉型泥土圧シールド工事に特有な災害であるとされ、事前の施工計画における対策とチェックによって安全対策を図るよう指針が示されており、労働安全衛生法第八十八条
に基づく届出に反映されていなければなりません。つまり酸欠空気に対して事前評価がなされ、対策が取られているはずです。

 国・事業者は、繰り返される漏気発生および酸欠空気発生のメカニズムについて、データに基づいた科学的説明をしえないままに、周辺環境には影響がないとのトンネル施工等検討委員会の見解を繰り返すのみで、住民、調布市、調布市議会が再三にわたって要求している説明会も未だに開催しておりません。

 地上の住民の安全確保のために、国・事業者は、以下の項目を実行することを強く申し入れ、4月10日(金)までに文書による回答を求めます。

1)調布市域で行われている気泡シールド工法による掘削を直ちに停止すること。
2)調布市の野川並びに事業敷地内ボーリング孔及び近隣の観測井等で採集した気体及び水の成分分析や振動調査結果、地表面変位測定結果(GNSSを含む)をトンネル掘進情報とあわせて速やかに公表すること。
3)『シールド工事に係るセーフティ・アセスメントについて』に従って、施工計画に示されているはずの酸素欠乏空気に関する事前評価を公表すること。
4)酸欠漏気のメカニズムに関する科学的、客観的データを提示し、工法に関して住民の納得いく説明会を開催すること。
5)気泡シールド工法の安全性が証明されない以上、調布市域でこの工法を採用しないこと。
以上

連絡先:省略

添付資料:野川(谷戸橋傍ら)噴出気泡の酸素濃度測定結果2020.03.18

*****[お知らせ]*****
東京外環道の真実を伝える本を広めてください!
 「住宅の真下に巨大トンネルはいらない〜ドキュメント東京外環道の真実〜」
  丸山重威著 東京外環道訴訟を支える会編 本体1600円
  推薦:浜 矩子(同志社大学教授) あけび書房

東京外環道訴訟を支える会のブログはこちらから

posted by 外環ネット at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース