2023年10月29日

「東京外環道中央JCT南側ランプシールドトンネル工事の中止を求める緊急要請書」を外環ネットが外環事業者と地元自治体に送付

 外環3事業者、国、NEXCO東日本及びNEXCO中日本は、10月12日〜14日にオープンハウスを開催して、10月以降、準備が整い次第東京外環道中央JCT南側ランプシールドトンネル工事を開始すると公表しました。
 これに対して、外環ネットは、2023年10月27日付「東京外環道中央JCT南側ランプシールドトンネル工事の中止を求める緊急要請書」を外環3事業者と地元自治体(三鷹市と調布市)に送付しました。

 以下はその要請書です。
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2023年10月27日
国土交通大臣 斉藤 鉄夫様
東日本高速道路株式会社代表取締役社長 由木 文彦様
中日本高速道路株式会社代表取締役社長CEO 小室 俊二様
[写] 三鷹市長 河村 孝様
[写] 調布市長 長友貴樹様


東京外環道中央JCT南側ランプシールドトンネル工事の中止を求める緊急要請書

外環ネット

 2023年10月12日〜14日の「中央JCT南側ランプシールドトンネル工事の「事業用地内の掘進」などに関するオープンハウス及び意見交換の場(13日約4時間)が開かれ、事業者は説明しました。それを聞き、意見交換した住民の不安は、解消するどころか、ますます増大してしまいました。
 よって、以下の理由により、東京外環道中央JCT南側ランプシールドトンネル工事の中止を、ここに緊急要請いたします。

陥没地域よりもはるかに危険な工事であることを認識すること
この地域は、仙川の周辺で軟弱地盤です。土被りが10m程度(仙川通過時は約5m)の浅深度です。地表への影響(地盤変位や振動・騒音・低周波音、地下水など)は、大深度地下よりはるかに大きいと考えられます。
土被り16mより浅いところの掘進の経験・実績がないとのこと。住民の不安は、大きくなるばかりです。

「仙川通過時の掘進管理」の説明による工事は危険で容認できない
オープンハウス、意見交換の場で示されたのは、次のようなことです。
工事に際して、地盤中に含まれる泥分或いは注入した鉱物系添加材が河川(仙川)内に漏出する可能性がある。また、河川通過後の添加材として気泡材を使用する区間において一部の空気が河川内に漏出する可能性がある。
 これらの説明は、中央JCT南側工事由来の泥分、鉱物系添加材が自然環境を汚染するのはやむなしとし、また気泡材由来の酸欠空気の漏出をもやむを得ないこととしています。とんでもないことです。
 外環道工事は、まず、自然環境、住環境に影響しないようにし、住民の暮らしを守らなければなりません。仙川周辺の地盤が軟弱であるだけに、他の地域以上に、地上に影響を及ぼさない、河川に影響を及ぼさない、そのような工法を選定し、泥分、鉱物系添加材、気泡などの漏出を防ぎ、自然環境汚染や、健康被害を避けるべきです。
 現状は、やるべきことがやられていません。

振動・騒音・低周波音による健康被害は起こさないこと、少なくとも都条例遵守
 外環工事によって、世田谷〜調布にかけて騒音、振動、低周波音による健康被害が多く発生しているのは、地元被害住民などからすでに伝えたとおりです。今回の工事が、軟弱地盤を浅深度で掘削する工事であるために、騒音、振動、低周波音被害がさらに多く発生する可能性があります。その様な状況が予測されるだけに、作業時間も周辺への影響を避けるべく設定されなければなりません。
 しかし、事業者からの説明は、ありえないレベルです。最低でも東京都の「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」(都条例といいます)に定められた午前7時〜午後7時まで、1日10時間以内を順守すべきです。また、当然日曜、祝日は完全休業日でなければなりません。
 都内で工事をするからには、都条例に従って計画を立て、実施することは当然です。
 直ちに、都条例に沿った計画に改めてください。

「地域の安全・安心を高めます」というが説明責任を果たさず
 10月13日の意見交換の場において住民から出された様々な疑問・質問(具体例は以下)に答えておらず、事業遂行の意思と能力がないことを暴露しています。それを知って、住民は不安を増しています。
 これらを積み残したままでは、事業用地内といえども工事を開始することは許されません。
致死濃度酸欠空気及び陥没の主要因である気泡シールド工法の使用禁止
浅深度掘削による地盤・家屋被害(下水道管との離隔距離。FランプとBランプの垂直交差 地表面の地盤沈下)を起こさない方策、管理・保証、
事前地盤補強
横連絡坑
被害補償・賠償責任の明確化
地盤沈下地表面変位、地下水位、振動・騒音・低周波音等のモニタリングと公表 
など

 以上の理由から、私たちは、現在示されている内容による中央JCT南側ランプシールドトンネル工事の中止を求めます。
以上

問合せ先:外環ネット


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2023年10月26日

「野川サイクリング道路のアスファルト舗装の損傷原因調査に関する緊急要請」を外環ネットが狛江市に行う

 2023年10月12日、NEXCO東日本及びNEXCO中日本は、「野川サイクリング道路における舗装の損傷について」を東京外環プロジェクトのHPに公表し、野川サイクリング道路で2023年8月〜10月の間、3回にわたって管理者である狛江市に無断で、当該道路に空いた5か所の穴を補修したことを認めました。

2023年10月13日、狛江市は、「野川サイクリング道路の舗装の損傷を、東京外かく環状道路(関越〜東名)工事事業者が無断で応急復旧した件について、関係者に要請を行いました」とHPに公表しました。

 この件に関して、しんぶん赤旗日曜版NHK朝日新聞東京新聞などが報道しています。

 外環ネットは10月25日、この件に関して東京外環事業者の不適切な行動の解明と住民及び利用者の不安払しょくのために、野川サイクリング道路の管理者である狛江市を訪問し、秘書広報室に狛江市長宛の緊急要請書を手渡し、また、担当部署である環境政策課(水と緑の係)に詳細の要請を行いました。

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写真:狛江市役所にて狛江市長宛緊急要請書手交(外環ネット)

 以下はその要請書です。
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2023年10月25日
狛江市長 松原俊雄様
[写] 東京都知事 小池百合子様
[写] 調布市長 長友貴樹様


野川サイクリング道路のアスファルト舗装の損傷原因調査に関する緊急要請

外環ネット

私たち外環ネットは、外環事業の事業化以前から工事中や供用後に起こるであろう問題点を指摘し、事業者に対応を求め続けている沿線住民の団体です。
外環事業者は2023年10月12日に、「野川サイクリング道路における舗装の損傷について」を公表し、野川サイクリング道路で2023年8月〜10月の間、3回にわたって管理者である狛江市に無断で、当該道路に空いた5か所の穴を補修したことを認めました。この件に関して、しんぶん赤旗日曜版NHK朝日新聞東京新聞などが報道しています。

管理者に無断での応急復旧行為は、それ自体ガバナンスの観点において大問題です。
利用者の安全を言い訳に「違法」なことをしてまで、トンネル工事が原因であることを隠蔽したと思われてもしかたがありません。事業者の行為は本末転倒、道路管理者無視というありえない行動です。これまでの調布市での陥没事故での不誠実な住民対応、大泉でのシールドマシン自損事故の責任転嫁、透明性を欠いた事業姿勢など、信頼構築ができない事業者にこの道路舗装損傷の原因調査を担当する資格はないと思われます。
 狛江市としては、このような実態を踏まえて、この際事業者を厳しく指導すべきです。

 また、周辺住民や利用者の不安を払しょくするために、道路舗装損傷の原因調査は早急に進めるべきです。応急復旧を行った行為は、5か所も穴が開いた原因を追究する機会をなくしてしまう問題行動でもあります。損傷穴の土はどこに流出したのでしょうか。
 当該箇所至近の野川では、2020年3月から気泡シールド工事由来の気泡が大量に発生しました。気泡は現在も発生しています。左岸側のトンネル直上及び周辺の調布市や狛江市住宅地では家屋損傷、地盤変状、健康被害が発生しています。

 社団法人日本トンネル技術協会は、地下構造物を施工すると当該構造物から45度の角度の広がりが、地上へ影響が出る目安となるとしています。5か所の穴の開いた地域はまさに外環南行・北行トンネル工事の影響が及ぶ範囲に当たります。また、トンネル工事による振動や気泡の影響は45度の範囲に限定されません。地盤の緩みなどの地下工事の影響が地表面に及ぶには、時間差があることは自明のことです。東京外環トンネル施工等検討委員会の有識者は2020年の調査を根拠として「可能性が低い」としていますが、3年後の現在の状況を判断する根拠とはなり得ません。このように、野川サイクリング道路の5か所の穴は、外環トンネル工事が原因であることを否定できないと考えます。外環トンネルが原因である可能性を指摘する専門家もいます

河川管理の視点で見ると、外環南行・北行トンネルの影響が及んでいた場合、護岸そのものを損壊する惧れがあることを考慮しなければなりません。
 こうした諸点から、わたしたちは下記のことをサイクリング道路管理者の狛江市に強く要請します。
 なお、11月8日までに文書にてご回答ください。



・ 狛江市は河川管理者である東京都と連携してサイクリング道路の5か所の穴の発生原因調査を早急に行うこと
・ 調査は第三者機関によること
・ 調査にあたっては、外環事業者の協力を得ること。
  具体的には、この調査に必要なトンネル工事に係わる情報提供、現場確認等
・ 原因究明にあたっては、トンネル工事との関連を調べるために、ボーリング調査等により、トンネル底部以深までの地盤の緩み状態を把握すること
・ 調査結果はすべて公表すること
・ トンネル直上及びその周辺の住宅地における被害(家屋・地盤、健康被害を含む)状況等を調査すること

以上


問合せ先:外環ネット


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2023年10月01日

イベント情報(2023年10月〜12月 )

外環関係その他リニア等さまざまな動きの直近のお知らせです。

次のイベント情報(2024.1月〜)こちら

*****2023年12月のイベント情報*****

12月18日(月)調布市情報漏えい国賠訴訟(*) 第1回口頭弁論
・11時30分  東京地裁立川支部 404号法廷
 (*)調布市による個人情報漏えい及びメールデータ破棄を理由とする国家賠償請求事件
    略称:調布市情報漏えい国賠訴訟

12月13日(水)15時 東京外環道C取消訴訟第21回口頭弁論
・15時〜(16時) 東京地裁103号法廷

12月9日(土)〜10日(日)第22回東京科学シンポジウム
・会場:拓殖大学文京キャンパス(茗荷谷)
・メインテーマ:理性と希望の平和な時代を拓くー国際的な軍事緊張の高まりに抗して
・主催:日本科学者会議 東京支部
・企画日程、参加申込等:詳細はここ
◆リニア分科会 
・日時:12月10日(日)13:15〜18:00

・会場:F204 (オンライン併用)

12月3日(日)13時30分 青梅街道インター地元住民集会
場所:上石神井南地域集会所3階集会室
   (練馬区上石神井1丁目6番16号)
   (西武新宿線上石神井駅南口徒歩3分)
プログラム:
・13時30分〜 「地権者の会」「支える会」総会
・15時〜     住民集会
  講演:「外環道と住民参加」(仮題)
   講師:小山 雄一郎さん(玉川大学教授)
  弁護団報告その他
・主催:元関町一丁目町会 外環対策委員会

*****2023年11月のイベント情報*****

11月28日(火)ストップ・リニア!中間判決控訴審判決言渡し
・10時15分 東京地裁前集合&集会
・11時 判決言渡し 東京高裁101号法廷
・13時30分〜17時 報告集会(入館証配布 13時〜)
  参議院議員会館B107会議室
  @弁護団報告
  A講演「リニア訴訟と行政裁量権」礒野弥生さん(東京経済大学名誉教授)
詳細はここ

11月1日(水)14時 外環青梅街道IC取消訴訟口頭弁論
・14時〜15時30分 弁論更新 東京地裁103号法廷

*****2023年10月のイベント情報*****

10月15日(日)外環陥没事故3年 住民集会&講演会(オンライン併用)
■外環陥没事故3年 住民集会&講演会
「ひとり一人の被害回復・まちの復興」のために
■日 時:2023年10月15日(日)9:45〜12:00(開場9:30)
■場 所:調布市東部公民館+オンライン(Zoom)

 (調布市若葉町 1-29-21)
■外環被害住民連絡会・調布 総会
 講演1:「シールドマシン地下トンネル工事による健康被害と建物損壊」
  ー市民科学の手法による調査からみえるもの
  講師:上田昌文さん(NPO法人市民科学研究室代表理事、外環振動・低周波音調査会)
 講演2:「大深度地下問題と健康な環境に生活する権利」
  ー東京外環道のいまとこれからを考えるー
  講師:磯野弥生さん(東京経済大学名誉教授)
■参加費:無料(カンパ歓迎)
■申込先:オンライン参加のみ gaikan.higai@gmail.com
■主催:外環被害住民連絡会・調布 
詳細チラシPDFはこちら


10月12日〜14日 外環(中央JCT南側ランプ工事)オープンハウス・意見交換の場、現場視察会
(*)意見交換の場と現場視察会は事前申込制
▼対象:中央JCT南側ランプシールドトンネル工事箇所周辺(三鷹市・調布市)在住者
▼主催:NEXCO東日本、NEXCO中日本、国交省外環国道事務所
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●10月12日(木)
 18時-20時:OH 入退場自由
 会場:新川中原コミュニティ・センター
    (三鷹市新川 1-11-1)
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●10月13日(金)
 18時-20時:OH 入退場自由
19時-:意見交換の場(*)(▼事前登録制)
 会場:中央JCT南側ランプシールド発進立坑防音ハウス内
  (調布市緑ケ丘1丁目41付近)
 申込方法:EメールまたはFAX(事前登録制)
 Eメール: tokyo-gaikan@e-nexco.co.jp
FAX:03-5923-0963
 申込期限:10月11日(水)15時
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●10月14日(土)
 10時-12時,14時-16時:OH 入退場自由
 会場:中央JCT南側ランプシールド発進立坑防音ハウス内
  (調布市緑ケ丘1丁目41付近)

マスコミの方の取材・撮影お断り。
オープンハウス資料は当日公開予定

OHと意見交換会の詳細はここ
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◆10月14日(土)現場視察会
視察内容:中央JCT南側B・Fランプシールドトンネル発進立坑及び防音ハウス内部
主催者:NEXCO東日本
開催時:A:9時〜、B:10時〜、C:11時〜
    D:13時〜、E:14時〜、F:15時〜
対象者:
申込方法:EメールまたはFAX(事前申込抽選制)
 Eメール: tokyo-gaikan.entry@e-nexco.co.jp
FAX:03-5923-0963
申込期限:10月10日(火)12時
当選連絡 10月11日(水)15時以降
視察会詳細はここ

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10月10日(火)外環陥没事故現場見学学習会
・日時:2023年10月10日(火)10時30分〜14時
・集合場所:京王線「つつじヶ丘」駅改札出口
・調布市・外環トンネル工事陥没事故エリアで行われている地盤補修工事の現場を巡る見学学習会
・コース:外環陥没地域の主要地点(地盤補修、家屋解体など)を見学後、東部公民館で意見交換
・参加費:無料
・参加定員:10名(先着順)
・申込方法:ここ
詳細はここ
https://www.shiminkagaku.org/gaikan-stiv_studytour_20230908/
・主催:外環振動・低周波音調査会


10月7日(土)13時 大気汚染測定運動一斉測定報告会
第92回定例NO2測定結果報告会(6月1日〜2日一斉測定実施)
日時:10月7日(土)13時〜16時
会場:渋谷区消費者センター
主催:大気汚染測定運動東京連絡会


10月3日(火)15時30分 リニア工事差止訴訟口頭弁論 
・15時30分〜 東京地裁103号法廷、終了後、報告集会

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▼ 過去のイベント情報(2023.8月〜2023.9月)はこちら

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《新刊》『道路の現在と未来 ─道路全国連四十五年史』
 道路住民運動全国連絡会編著 本体2600円 緑風出版
 住民は道路事業にどう抵抗し 何を勝ち取ってきたか 道路はどうあるべきかを提言
 
東京外環道の真実を伝える本を広めてください!
 「住宅の真下に巨大トンネルはいらない〜ドキュメント東京外環道の真実〜」
  丸山重威著 東京外環道訴訟を支える会編 本体1600円
  推薦:浜 矩子(同志社大学教授) あけび書房

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