これに対して、外環ネットは、2023年10月27日付「東京外環道中央JCT南側ランプシールドトンネル工事の中止を求める緊急要請書」を外環3事業者と地元自治体(三鷹市と調布市)に送付しました。
以下はその要請書です。
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2023年10月27日
国土交通大臣 斉藤 鉄夫様
東日本高速道路株式会社代表取締役社長 由木 文彦様
中日本高速道路株式会社代表取締役社長CEO 小室 俊二様
[写] 三鷹市長 河村 孝様
[写] 調布市長 長友貴樹様
東京外環道中央JCT南側ランプシールドトンネル工事の中止を求める緊急要請書
外環ネット
2023年10月12日〜14日の「中央JCT南側ランプシールドトンネル工事の「事業用地内の掘進」などに関するオープンハウス及び意見交換の場(13日約4時間)が開かれ、事業者は説明しました。それを聞き、意見交換した住民の不安は、解消するどころか、ますます増大してしまいました。
よって、以下の理由により、東京外環道中央JCT南側ランプシールドトンネル工事の中止を、ここに緊急要請いたします。
●陥没地域よりもはるかに危険な工事であることを認識すること
この地域は、仙川の周辺で軟弱地盤です。土被りが10m程度(仙川通過時は約5m)の浅深度です。地表への影響(地盤変位や振動・騒音・低周波音、地下水など)は、大深度地下よりはるかに大きいと考えられます。
土被り16mより浅いところの掘進の経験・実績がないとのこと。住民の不安は、大きくなるばかりです。
●「仙川通過時の掘進管理」の説明による工事は危険で容認できない
オープンハウス、意見交換の場で示されたのは、次のようなことです。
工事に際して、地盤中に含まれる泥分或いは注入した鉱物系添加材が河川(仙川)内に漏出する可能性がある。また、河川通過後の添加材として気泡材を使用する区間において一部の空気が河川内に漏出する可能性がある。
これらの説明は、中央JCT南側工事由来の泥分、鉱物系添加材が自然環境を汚染するのはやむなしとし、また気泡材由来の酸欠空気の漏出をもやむを得ないこととしています。とんでもないことです。
外環道工事は、まず、自然環境、住環境に影響しないようにし、住民の暮らしを守らなければなりません。仙川周辺の地盤が軟弱であるだけに、他の地域以上に、地上に影響を及ぼさない、河川に影響を及ぼさない、そのような工法を選定し、泥分、鉱物系添加材、気泡などの漏出を防ぎ、自然環境汚染や、健康被害を避けるべきです。
現状は、やるべきことがやられていません。
●振動・騒音・低周波音による健康被害は起こさないこと、少なくとも都条例遵守
外環工事によって、世田谷〜調布にかけて騒音、振動、低周波音による健康被害が多く発生しているのは、地元被害住民などからすでに伝えたとおりです。今回の工事が、軟弱地盤を浅深度で掘削する工事であるために、騒音、振動、低周波音被害がさらに多く発生する可能性があります。その様な状況が予測されるだけに、作業時間も周辺への影響を避けるべく設定されなければなりません。
しかし、事業者からの説明は、ありえないレベルです。最低でも東京都の「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」(都条例といいます)に定められた午前7時〜午後7時まで、1日10時間以内を順守すべきです。また、当然日曜、祝日は完全休業日でなければなりません。
都内で工事をするからには、都条例に従って計画を立て、実施することは当然です。
直ちに、都条例に沿った計画に改めてください。
●「地域の安全・安心を高めます」というが説明責任を果たさず
10月13日の意見交換の場において住民から出された様々な疑問・質問(具体例は以下)に答えておらず、事業遂行の意思と能力がないことを暴露しています。それを知って、住民は不安を増しています。
これらを積み残したままでは、事業用地内といえども工事を開始することは許されません。
◆致死濃度酸欠空気及び陥没の主要因である気泡シールド工法の使用禁止
◆浅深度掘削による地盤・家屋被害(下水道管との離隔距離。FランプとBランプの垂直交差 地表面の地盤沈下)を起こさない方策、管理・保証、
◆事前地盤補強
◆横連絡坑
◆被害補償・賠償責任の明確化
◆地盤沈下地表面変位、地下水位、振動・騒音・低周波音等のモニタリングと公表
など
以上の理由から、私たちは、現在示されている内容による中央JCT南側ランプシールドトンネル工事の中止を求めます。
以上
問合せ先:外環ネット
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「住宅の真下に巨大トンネルはいらない〜ドキュメント東京外環道の真実〜」
丸山重威著 東京外環道訴訟を支える会編 本体1600円
推薦:浜 矩子(同志社大学教授) あけび書房
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