2019年11月07日

「白子川に発生した気泡問題に関する申入書(その2)」を国等の事業者と都知事に送付。気泡シールド工事中止等を求める。

外環ネット他、計12団体は、2019年9月20日付け「白子川に発生した気泡問題に関する申入書」に続き、回答のない国土交通大臣・東京都知事・NEXCO中日本社長・NEXCO東日本社長に対し、新たに公表された資料の疑問を質すために「白子川に発生した気泡問題に関する申入書(その2)」を送付し、気泡シールド工事中止等を求めました。
 以下は、申入書(その2)です。
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2019年11月1日
国土交通大臣 赤羽一嘉 様
[写] 関東地方整備局 東京外かく環状国道事務所長様
東京都知事 小池 百合子 様
[写] 建設局 三環状道路整備推進部長様
中日本高速道路株式会社 代表取締役社長 宮池 克人 様
[写] 東京支社 東京工事事務所長様
東日本高速道路株式会社 代表取締役社長 小畠 徹 様
[写] 関東支社 東京外環工事事務所長様


白子川に発生した気泡問題に関する申し入れ(その2)


 先般9月20日付けで貴方に送付した「白子川に発生した気泡問題に関する申し入れ」のとおり、白子川に発生した気泡は、「地上部に影響を及ぼさない」という大深度法の前提を大きく覆すものであり、地権者の権利を侵害し、住民の生活権を侵すものです。
東名JCT周辺では昨年5月以降、「工事による酸欠ガス・地下水の噴出、振動・騒音の発生、野川における中洲の発生」などの問題事象(事件)が生じているが、同様なことが大泉JCT周辺の白子川でも起きたことになります。公表資料によれば、事業者は8月19日には工事による漏気とそれが酸欠ガスであることを確認していながら、9月5日の公表資料ではなお、「トンネル工事は正常に進んでおり」と記しています。
これは、住民、自治体に対する説明責任を無視したもので、大深度法の基本方針に違反しています。
 さらに、上記の私たちの申し入れに回答しないまま、10月17日には「大泉側本線トンネル(南行)における掘進状況について」という文書が公表されました。
 
 事業者はこの中で「有識者」の名を借りながら「添加材に気泡を用いた掘進は、空気の通り道等により漏気の可能性はある」と、これまでの説明を完全に翻す無責任極まりない表明をしています。東名JCT地域における酸欠ガスと地下水の噴出を受け、それらを抑制するために室内試験をし、大泉JCT工事ヤード内おいて実掘進によって確認すると各地のオープンハウスで説明してきた事実が嘘であったことは明らかです。住民および自治体に謝罪することを求めます。

 「漏気の可能性」があると認めたこの文書公表により、事業者は大深度法に基づく工事であっても、地表面への影響は避けられないことを正式に表明しました。そうであるなら、無断、無補償での工事は許されることはなく、不可能であることも明らかです。
 
 直ちに工事を止め、地権者、住民への説明と関係権利者との補償交渉を開始すべきであり、また、万が一の地表面変位に備えて、本線トンネル工事区間およびランプトンネル区間も含んだ、全ての工事区での地盤変動調査を工事中はもちろん工事後も継続して計測することとし、その計測計画およびリアルタイムでの住民・自治体への結果報告の体制を整えるべきです。工事の継続にはそれらの条件が整うことが必須でありそのための対応を強く要請します。

 上記要請に関わらず、事業者の説明責任は果たされなければなりません。


 未回答の上記9月20日付申し入れ項目に加えて、これまでに公表された資料に基づく追加質問・依頼項目を別紙にまとめました。
 両者について11月7日までに文書による回答を求めます。

以上


添付文書
1.別紙「白子川に発生した気泡問題に関する追加質問・依頼項目」
2. 9月20日付け「白子川に発生した気泡問題に関する申し入れ」

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別紙
2019年11月1日

白子川に発生した気泡問題に関する追加質問・依頼項目


これまでに公表された資料
・漏気の推定メカニズム【公表日:9月5日】(以下「資料1」という)
・調査結果(河川内の水質調査・気体の成分調査)【公表日:9月25日】(以下「資料2」という)
・調査結果(地下水の水位調査・水質調査)【公表日:10月8日】(以下「資料3」という) 
・大泉側本線トンネル(南行)における掘進状況および今後の掘進について【公表日:10月17日】(以下「資料4」という)
・(参考資料)大泉側本線トンネルの掘進状況について【公表日:10月17日 】(以下「資料5」という)


1.漏気発生経緯
1)気泡の使用
令和元年8月19日から漏気が見られているとのことであるが

(1) 2019年8月19日の何時に、白子川に漏気を確認したのか?
(2) 添加材に気泡を使ったのは何日から何日までか? 
(3) 2019年8月19日は気泡を使ったのか、使ったのであるなら何時から切羽に気泡注入し始めたのか。

2)ベントナイトの使用
資料4によれば、大泉側本線トンネル(南行)では、「地中に埋設されている旧下水管や白子川旧護岸の杭が干渉する区間および地盤改良区間などの特殊区間では、カッタービットの温度上昇を冷却するため、添加材としてベントナイトを用いた掘削を行っています」ということだが、

(1) カッタービットの通常温度上昇と許容温度上昇が、想定の地層と杭などが存在する特殊条件下ではそれぞれどのようになるのかについて、気泡とベントナイト使用それぞれの場合について説明を求める。
(2) カッタービットが過熱するその他のケースとして何が考えられるか(大きな岩石、不発弾、建設廃棄物など)?
(3) 旧下水管や白子川旧護岸の杭が干渉する区間および地盤改良区間などの特殊区間を地図上で、深さ方向の情報とともに示すこと。
(4) 旧下水管や白子川旧護岸の工事は、どういう工事であったのか? また、下水管や杭の材質、形状、大きさなどはどうであったのか説明を求める。
(5) 地盤改良目的について、また使用した原材料や改良後の地盤硬さなど詳細について示すこと。
(6) ベントナイトを使ったのは何日から何日までか? 
(7) ベントナイト以外の作泥土材は使用していないか? 使う予定は? 使っていればそれは何か?
(8) 本線トンネル(北行)大泉南工事でも、「直径1.2mの杭を合計で46本切りながらトンネルを掘り進める、既設杭のシールド機直接切削が特徴となります。」とホームページ上の「工事を知る」で説明されている。この直接掘削時もベントナイトが使用されるのかどうか説明を求める。
(9) 添加材を起泡からベントナイトに変更するのは、何をどのように把握した場合か? また、変更の手順はどのように行われるのか?
(10) ベントナイトの切羽への供給はどのような方法で行われるのか? シールドマシンにはそのためのデバイスは既に装着されているのか?
(11) 気泡シールド工法以外の工法を採用する掘削区間は全区間中ほかに何処が想定されているか明示を求める。またその場合の掘進速度を気泡シールド工法との比較の上で説明してほしい。
(12) 気泡が発生しないベントナイト使用の掘削が可能であるならば、気泡シールド工法による掘削は中止すべき。なぜ起泡シールド工法にこだわる必要があるのか説明を求める。

2.漏気箇所
1)10月17日の公表資料4の白子川気泡漏出位置図によれば、8月19日のシールドマシンは、白子川左岸の土留め漏気箇所より10m程真横に位置しているようにみえる。一方、公表資料1のイメージ図では、マシンの先端が土留め壁のほぼ真下まで近づいているように見える。8月19日の気泡漏出位置とマシンは何メートル離れていたのか? 水平方向と深さ方向の位置関係で明示してほしい。
2)漏気範囲(資料2のオレンジ色の漏気箇所)は、目白通りと関越道の間の白子川に沿って、およそ100mの範囲になっているが、白子川沿いに限らずそれ以外のそれより広い周辺地域での漏気調査は行ったのか。実施した場合、その範囲、調査方法の説明を求める。
3)漏気確認箇所を地図上に示すこと。また、白子川の水抜孔の位置も示すこと。
4)日毎に漏気の有無を確認しているようであるが、各漏気確認箇所ごとの確認日時を示すこと。写真画像・動画もあわせて示すこと。
5)白子川の真上のみで漏気が確認されたことになっているが、白子川以外の工事ヤード内のマシン直上あたりには、何の変化もなかったのか? 隆起はなかったか?
6)資料5の白子川における漏気についての計測箇所@の地点が明確でないので確認を求める。
@白子川の遊歩道上か? A護岸壁目地部分(水面より下、水面より上)?
B護岸壁水抜孔(水面より下、水面より上)? Cその他?

3.漏気データ
資料4、資料5の漏気データについて
1)番号が付けられている漏気箇所と番号が付けられていない漏気箇所がある。すべての漏気箇所について、日毎の漏出量、酸素濃度等の測定データを示すこと。
2)気泡注入と漏気確認の時間帯について
@ 気泡注入は何日から何日までか?
A 気泡注入日の何時から何時まで漏気を確認したか?
3)気泡注入は1リングずつ行うのか?
気泡注入方法(注入箇所・数、注入制御方法など)について具体的説明を求める。
4)簡易計測の時刻は一定ではないが、気泡注入の何時間後と決めているのか?
5) 8月19日以降とそれ以前の夏休み前の掘進方法とに何か違いがあったのか?
  気泡シールド工法による掘進は8月19日以降に行われたのか? それ以前の工法は何工法か?
6)8月19日から29日の期間は、漏気が最も多い箇所のみ測定ということだが、全ての箇所で、漏出量の測定をしていないのに、何故最も漏気の多い箇所と判断したのか、どのようにして漏気の多寡を判定したのか? 
7)目視でも漏気・噴出の様子がわかる静止画像や動画の提出を求める。
8)8月19日、22日、24日、26日(11:32分)は何故漏出量を計測しなかったのか?
9)白子川の漏気で漏出量を出したのだから、野川の酸欠空気の漏出量も公表すべし。
10)8月19日、24日は@の地点で酸素濃度が酸欠則の基準値の18%を切っているのに、何故ほかの漏気箇所の酸素濃度の測定をしなかったのか?
11)8月28日には合計降雨量(※)8mmでも計測ができているのに、降雨量2mmの8月21日に計測ができなかったというのは、不可解。8月21日に計測ができなかった理由は何か?
(※)降雨量は気象庁データ(地点:東京都練馬)に基づく
12)9月2日は今回の漏気で、最も低い酸素濃度が出たにもかかわらず、8月30日のように、資料4および資料5の計測個所A以外のポイントの計測をしなかったのは、何故か?
13)9月2日は、何故、この一日だけが、酸素濃度が特別に低濃度(7.3%)になったと考えているのか? 
14)9月2日は、わずか1リングの掘進で漏出量が毎分6.1ℓと多かったのは何が原因と考えているのか?


4.漏気のメカニズム
1)資料4によると「添加材に気泡を用いた掘進は、空気の通り道等により漏気の可能性はある」との有識者意見があったと記されているが、
(1) 漏気のルートと漏気の発生深度(シールドマシン深度)が10m〜26mと浅いのに酸欠ガスになる理由とその根拠・証拠を示すこと。
(2) 「空気の通り道等」というのは、地層構造特性や人工的な工作物などが関係すると考えられるが具体的にどういうことか説明を求める。また、砂礫層、砂層は全て空気の通り道になるのか?
(3) 「漏気の可能性がある」との説明は、これまでの「地上への漏気を抑制して掘進できる」としてきた屋内試験等の検証結果説明を180度覆すものである。今に至って異なる見解を示すに至った客観的理由は何か説明を求める。
(4) そもそも「抑制」とはどういう意味で使われているのか? 事業者および「有識者」による定義の具体的説明を求める。
(5) 「漏気の可能性」があると明記しているが、これは大深度法の大前提である「地上へは影響を及ぼさないこと」を満足していない。事業者・有識者はこのことについていかなる見解を示しているか説明を求める。
(6) 東名JCT側の野川での漏気発生とメカニズム上の違いの説明を求める。

2)漏気の気体の正体
(1) 漏気は「地下のシールド工事の掘進時に用いる空気が漏出した」とのことであるが、漏気がシールドマシンに取り込まれなかった注入気泡の一部であると何故判断できたのか?
(2) 注入気泡が漏出したのであれば、起泡剤の界面活性剤成分が検出されるはずではないのか?
(3) 改良気泡の破泡時間が2時間(注)とすれば、破泡しないまま噴出しないのか?
(注) 「第19回 東京外環トンネル施工等検討委員会の資料2 (シールド工事の掘進方法について) 令和元年6月13日 」によれば、改良気泡が破泡しきるまでの時間は、起泡剤濃度にもよるが2時間で86〜100%破泡している。
(4) 漏気箇所から50メートル程離れた大泉JCT敷地内で、過去に白子川地下調節池事業のシールド工事発進立坑(内径21.0m、深さ45.0m)のニューマチックケーソン工事がされているが、
@ この工事の残留空気がシールド機の掘進で押し出されてきている可能性はないのか? その可能性について、トンネル施工等検討委員会は検討したか?
Aまた、この工事の施工期間はいつからいつまでか?(平成10年度完成?) また、ケーソン工事は何日から何日までか?
(5) 白子川地下調節池事業で実施した発進立坑は、ニューマチックケーソン工法を採用している。この圧気工法によって発生した残存漏気を、シールドマシンが押し出した可能性がある。これについて、東京外環トンネル施工等検討委員会は検討したか? その結果は?
(6) 大泉ジャンクションの換気所ダクトシールド発進用立坑及び橋梁基礎工等を構築する土木工事でも圧気工法が採用されている。その影響について評価は行われたか? その結果は?


5.確認掘進状況
1)確認掘進というのは、トンネル掘進に用いている圧縮空気の漏出をなくすために、泡の大きさを小さくした破泡しにくい改良気泡が有効かどうかを検証しているという理解でよいか?
2)確認掘進のその他の目的について詳しく説明してほしい。
3)東名北工事との比較において、より改良されていると考えられる点はなにか?
4)8月19日の漏気確認後、掘進管理調整は、何をどう変化させていったのか?
(起泡剤の種類、起泡剤水溶液濃度、気泡混合率、発泡倍率、切羽圧、その他)
5)8月19日から何日にも亘って漏気が続いたというのは、添加材(気泡)の注入諸条件調整がうまくいっていないということか? 何と何の調整に失敗したのか?
6)改良気泡の破泡のしにくさと、気泡の漏出の抑制とには、相関関係がないことが、明らかになったということではないか? 結果的に漏気抑制に失敗した理由は何か?
7)漏気確認のための既存のボーリング孔について、
@ボーリング調査を行ったのはいつか?
Aボーリング孔を掘った目的 B形状・寸法・壁面状態 Cボーリングデータ
 D柱状図 E埋め戻し済みか否か、埋め戻しの状況 
8)漏気確認のために既存のボーリング孔を使うということだが、これらのボーリングの位置(2か所?)は地盤改良工事をした範囲にあり、掘進の添加材としては、気泡ではなくベントナイトを使う範囲ではないのか?


6.酸欠空気
1)資料2によれば、気泡自体の空気成分濃度の測定は、「参考として簡易測定を実施し、・・・」と小さい文字で記されている。酸素濃度という最も重要な分析項目がどうして「参考」であって「簡易測定」で実施されているのか?なぜ、精密分析を実施しないのか? なぜ「酸欠である」と誰の目にも映るように大きく記述しないのかその理由をたずねる。
2)今回白子川に酸欠空気が漏気したが、地表から10〜20mの深さから地中を上昇してきた。漏気が酸欠になったメカニズムについて、地層の特性等を踏まえた説明を求める。
3)40m以深の地層は上総層群に属し、酸欠空気を生む可能性を秘めている。酸欠空気をどのように把握し、対策するのか説明を求める。
4)東名JCT地域でも大泉JCT地域でも、野川や白子川のように川があるから酸欠空気が発見できるが、住宅街に酸欠空気が漏れても、死亡事故など起きない限り、気づかないであろう。酸素欠乏症等防止規則では、わずかな酸欠空気でも見逃さず回避するよう指導している。有識者の「周辺環境に影響はないと考える」根拠は何か。住民に与える危険性をどのように把握しているのか。
5)酸欠空気が閉鎖空間や半閉鎖空間である地下室や井戸に入った場合の安全性については、これまでも事業者から回答を得ていない。漏出空気量、酸素濃度などを踏まえた科学的説明を求める。(参照事例:2019年8月福島県の炭酸泉での酸欠空気あるいは二酸化炭素による死亡事故)
6)平成30年4月 東京都交通局土木工事標準仕様書 第5章 シールド工事編には、酸素欠乏症等防止規則遵守の規定がある。NEXCO東日本とNEXCO中日本の外環トンネル工事では、受注業者に酸素欠乏症等防止規則の遵守を義務付けていると考えるが、確認したい。
7)資料4では、家屋調査(事前調査)範囲にお住まいの地下室・井戸を所有されているお宅の酸素濃度を測定するということだが、この対象家屋については既に大泉ジャンクション内で圧気工法の工事(※)が始まっている(?)ので、周囲1kmの範囲の対象は、この時にすでに網羅されていると理解してよいか?
(※)大泉ジャンクションの換気所ダクトシールド発進用立坑及び橋梁基礎工等を構築する土木工事


7.発生土処理
1)添加材が空気(気泡)の場合とベントナイトの場合では、発生土の処理は異なるのかまたその処分先に違いは生じるか?
 2)添加材にベントナイトを用いた場合、添加材に増粘材(高分子材)を用いた場合、それぞれの発生土は、一般残土ではなく産業廃棄物処理の対象となるのか? 発生土処理はどのように行われているか?
3)添加材にベントナイトを用いた場合の、発生土量は気泡シールド工法の場合と比較して増加するのか? その増加量はいかほどか?
以上

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申し入れ団体(順不同)
・外環道検討委員会                 
・外環中央JCT関係住民の会
・外環予定地・住民の会
・東京外環道訴訟を支える会
・野川べりの会 
・東名JCT近隣住民の会             
・外環道検討委員会・杉並
・外環ネット
・外環を考える武蔵野市民の会
・調布・外環沿線住民の会
・とめよう「外環の2」ねりまの会
・元関町一丁目町会外環対策委員会

問合せ先:省略
posted by 外環ネット at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース
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