2020年12月29日

「東京外環・調布陥没事故中間報告に対する抗議声明」と疑問点文書を外環ネット他12団体が国交省とNEXCO東日本に手渡す

 12月18日NEXCO東日本は調布陥没事故の中間報告を公表し、陥没事故はトンネル工事が原因であると認め、謝罪しました。これを受けて、2020年12月25日外環ネット他12団体は、「東京外環・調布陥没事故中間報告に対する抗議声明」を発表し、同日国土交通省及びNEXCO東日本を訪問し、読み上げて手渡しました(東京都及びNEXCO中日本には郵送)。
 また、併せて「東京外環有識者委員会 中間報告への疑問点 」(今後このブログに掲載予定)を手渡しました。

(1) 12月25日(金)午後、東京外環道訴訟の延伸差止訴訟提訴の記者会見において、中間報告についての抗議声明と疑問点文書を報道関係者に配布しました。

(2) 同日記者会見終了後、国土交通省を訪れ、道路局高速道路課係長星野龍一郎氏に声明を読み上げて提出。併せて18日に公表された陥没事故の中間報告の内容に関する疑問点も提出し、回答時期の設定を求めました。
また、現在続けている「住宅地陥没!東京外環道事業・工事の中止」署名の提出を1月に行うことについても通告しました。
20201225_SeimeiToKuni.jpg
写真:国土交通省道路局高速道路課(左)、外環ネット(右)

(3) 続いてNEXCO東日本本社を訪れ、建設事業本部建設事業統括課丸山耕治、同資産管理課有川達哉両氏に、同じく声明を読み上げ、さらに質問事項の主要項目を読み、現場がいかに住民不在か、説明責任が果たされていないかを話し、取り組み姿勢を改めるよう求めました。
丸山氏は、社長にも、現場にも我々の主張を伝えると回答しました。
20201225_SeimeiToNEXCO-E.jpg
写真:外環ネット(左)、NEXCO東日本(右)

 以下はその声明文です。

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2020年12月25日

東京外環・調布陥没事故中間報告に対する抗議声明

外環ネット他12団体


 2020年10月18日、東京外かく環状道路(以下「東京外環」)トンネル工事現場真上の調布市の住宅地で陥没事故が発生し、その後相次いで巨大な空洞が発見されました。2カ月後の12月18日、東日本高速道路株式会社(以下「NEXCO東日本」)は、トンネル工事が陥没の原因であることを認め、被害の賠償に応ずることを明らかにしました。

外環ネットは、東京外環沿線7区市の住民団体のネットワークです。私たちは、国および東京都、そしてNEXCO東日本、NEXCO中日本に対し、これ以上の犠牲を出さず、無駄なエネルギーと事業費を使うことがないよう、直ちに、杜撰で危険な東京外環事業・工事の中止と、憲法違反の悪法「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」(以下「大深度法」)の廃止を改めて求めます。

東京外環計画は、1966年に策定されましたが、住民の強い反対により凍結されました。
その後、国は用地買収をせずに道路建設したいとの「姑息」な発想から、土地所有権から使用権を切り離し、道路建設を可能にする大深度法を成立させました。「通常利用されない地下」「地上には影響を与えない」との理由で、住民の意思を一切無視する法律です。東京外環は、地権者の了解なく住宅地の地下に建設する事業として認可されました。ルートは高架での道路計画をそのまま引き写し、地盤、地歴、地下水などの調査が不十分な状態で建設が進められました。

「地上には影響はない」はずの工事で、気泡噴出に始まり、騒音・振動・低周波音と家屋損傷、液状化等の地盤変位、そして遂に人命に関わりかねない重大な陥没事故が起きました。日本経済新聞による衛星データの解析では、地盤沈下は3pにもなることが明らかになりました。これは、住民の苦情やマシン・トラブル発生時に慎重な調査・対応をすることなく工事を進めたために起こった人災にほかなりません。

事業者は地上での被害を想定しないまま、住民に無許可・無補償で工事を進めました。この間、事業者は事業実施に伴う住民の疑問や問題点指摘にまともに答えず、説明責任を果たしていません。その末に起こった今回の被害全てが、人権、財産権の侵害そのものです。このような理不尽なことが許されてはなりません。大深度の工事は地上に影響しない、シールド工事は安全などという「虚構」に基づいて進めてきた大深度地下トンネル計画の大前提は崩壊したのです。

事業者は、被害補償として「家屋の補修」に言及していますが、何よりも被害地の住民が求めているのは「地盤を元通りにしてほしい」ということです。亀裂を塗り込め空洞を充填しても、緩んだ地盤ではまた地盤変位が起こりえます。いつ崩れるかという不安・恐怖の中で暮らすことなどできません。

「掘ってみなければわからない」「地盤が悪い」という小泉淳東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員長の発言は、科学者として、技術者としての見識も何もかなぐり捨てた開き直りです。特殊な地盤であるなら事前に調査し対策が取られるべきでした。このような言葉で事業者の責任を回避しようとすることは、地上に居住する住民の存在をないがしろにする発言であり、許せません。そもそも第3者性のない委員会の「調査報告」は、やはり信頼できないことを明確に示すものです。

さらに、もう1本の北行トンネル工事が問題です。陥没地点の700mほど手前で停止している北行シールドマシンは、緩んだ特殊な地盤、既に地盤沈下・液状化を起こした地域を掘削します。さらなる被害が重なる恐れがあり、もはやこれ以上の人権、生活権、所有権侵害行為は許されません。

似たような地盤、様々な地層が交互にある互層はこれから掘削予定の地域にもあることがわかっています。本線シールドだけでなく、ランプシールド工事においても同じ問題が発生する可能性は大きいのです。さらに、「世界最大級の難工事」と事業者自身が認める地中拡幅部の工事も同様です。

陥没・空洞どころか家屋のひびなどの損傷、健康被害なども一切起こさないよう、十分な調査に基づく万全な再発防止策を立て、計画地上の地権者及びその周辺の住民の了解を得たうえでなければ工事再開などありえません。安全確保を保証し、希望があれば買い取り、被害を未然に防ぐ対応を求めます。

住民は、3年前に大深度地下使用認可および都市計画事業承認・認可の無効確認等を求めて提訴し、本年5月には気泡シールド工事差止仮処分を申し立て、さらに本日、2021年3月31日で事業期間が終了する都市計画事業の延伸差止訴訟を起こしました。

国・都、事業者に対する働きかけに加え、法廷での弁論を通して、わたしたち外環ネット他12団体は以上に述べた様々な東京外環事業の問題点を明らかにし、沿線住民の生活、いのち、財産権を守って行きたいと考えています。

そのため、私たちは、国、東京都、NEXCO東日本、NEXCO中日本に対し下記のことを求めます。


1 「地上に影響がない」とした大深度法の前提が崩れているのですから、東京外かく環状道路工事を中止し、事業の廃止を含めた見直しを早急に行うこと。

2 「地上に影響がない」との前提が非現実的である大深度法の違憲性を認め、同法を廃止すること。

3 現状発生した被害は、希望により買い取り及び地盤復旧等を含めすべて賠償・補償すること。

4 今後露見するであろうさらなる被害に対しても、完全なる賠償・補償を行うこと。

以上


申し入れ団体(順不同)13団体
・外環ネット/・外環道検討委員会/・外環道路予定地・住民の会/・市民による外環道路問題連絡会・三鷹/
・野川べりの会/・東名JCT近隣住民の会/・外環道検討委員会・杉並/・外環を考える武蔵野市民の会/・調布・外環沿線住民の会/・とめよう「外環の2」ねりまの会/・元関町一丁目町会外環対策委員会/・外環いらない!世田谷の会/・東京外環道訴訟を支える会

問合せ先: 省略

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東京外環道の真実を伝える本を広めてください!
 「住宅の真下に巨大トンネルはいらない〜ドキュメント東京外環道の真実〜」
  丸山重威著 東京外環道訴訟を支える会編 本体1600円
  推薦:浜 矩子(同志社大学教授) あけび書房

東京外環道訴訟を支える会のブログはこちらから
posted by 外環ネット at 15:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース
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