2023年10月13日、狛江市は、「野川サイクリング道路の舗装の損傷を、東京外かく環状道路(関越〜東名)工事事業者が無断で応急復旧した件について、関係者に要請を行いました」とHPに公表しました。
この件に関して、しんぶん赤旗日曜版、NHK、朝日新聞、東京新聞などが報道しています。
外環ネットは10月25日、この件に関して東京外環事業者の不適切な行動の解明と住民及び利用者の不安払しょくのために、野川サイクリング道路の管理者である狛江市を訪問し、秘書広報室に狛江市長宛の緊急要請書を手渡し、また、担当部署である環境政策課(水と緑の係)に詳細の要請を行いました。


写真:狛江市役所にて狛江市長宛緊急要請書手交(外環ネット)
以下はその要請書です。
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2023年10月25日
狛江市長 松原俊雄様
[写] 東京都知事 小池百合子様
[写] 調布市長 長友貴樹様
野川サイクリング道路のアスファルト舗装の損傷原因調査に関する緊急要請
外環ネット
私たち外環ネットは、外環事業の事業化以前から工事中や供用後に起こるであろう問題点を指摘し、事業者に対応を求め続けている沿線住民の団体です。
外環事業者は2023年10月12日に、「野川サイクリング道路における舗装の損傷について」を公表し、野川サイクリング道路で2023年8月〜10月の間、3回にわたって管理者である狛江市に無断で、当該道路に空いた5か所の穴を補修したことを認めました。この件に関して、しんぶん赤旗日曜版、NHK、朝日新聞、東京新聞などが報道しています。
管理者に無断での応急復旧行為は、それ自体ガバナンスの観点において大問題です。
利用者の安全を言い訳に「違法」なことをしてまで、トンネル工事が原因であることを隠蔽したと思われてもしかたがありません。事業者の行為は本末転倒、道路管理者無視というありえない行動です。これまでの調布市での陥没事故での不誠実な住民対応、大泉でのシールドマシン自損事故の責任転嫁、透明性を欠いた事業姿勢など、信頼構築ができない事業者にこの道路舗装損傷の原因調査を担当する資格はないと思われます。
狛江市としては、このような実態を踏まえて、この際事業者を厳しく指導すべきです。
また、周辺住民や利用者の不安を払しょくするために、道路舗装損傷の原因調査は早急に進めるべきです。応急復旧を行った行為は、5か所も穴が開いた原因を追究する機会をなくしてしまう問題行動でもあります。損傷穴の土はどこに流出したのでしょうか。
当該箇所至近の野川では、2020年3月から気泡シールド工事由来の気泡が大量に発生しました。気泡は現在も発生しています。左岸側のトンネル直上及び周辺の調布市や狛江市住宅地では家屋損傷、地盤変状、健康被害が発生しています。
社団法人日本トンネル技術協会は、地下構造物を施工すると当該構造物から45度の角度の広がりが、地上へ影響が出る目安となるとしています。5か所の穴の開いた地域はまさに外環南行・北行トンネル工事の影響が及ぶ範囲に当たります。また、トンネル工事による振動や気泡の影響は45度の範囲に限定されません。地盤の緩みなどの地下工事の影響が地表面に及ぶには、時間差があることは自明のことです。東京外環トンネル施工等検討委員会の有識者は2020年の調査を根拠として「可能性が低い」としていますが、3年後の現在の状況を判断する根拠とはなり得ません。このように、野川サイクリング道路の5か所の穴は、外環トンネル工事が原因であることを否定できないと考えます。外環トンネルが原因である可能性を指摘する専門家もいます。
河川管理の視点で見ると、外環南行・北行トンネルの影響が及んでいた場合、護岸そのものを損壊する惧れがあることを考慮しなければなりません。
こうした諸点から、わたしたちは下記のことをサイクリング道路管理者の狛江市に強く要請します。
なお、11月8日までに文書にてご回答ください。
記
・ 狛江市は河川管理者である東京都と連携してサイクリング道路の5か所の穴の発生原因調査を早急に行うこと
・ 調査は第三者機関によること
・ 調査にあたっては、外環事業者の協力を得ること。
具体的には、この調査に必要なトンネル工事に係わる情報提供、現場確認等
・ 原因究明にあたっては、トンネル工事との関連を調べるために、ボーリング調査等により、トンネル底部以深までの地盤の緩み状態を把握すること
・ 調査結果はすべて公表すること
・ トンネル直上及びその周辺の住宅地における被害(家屋・地盤、健康被害を含む)状況等を調査すること
以上
問合せ先:外環ネット
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「住宅の真下に巨大トンネルはいらない〜ドキュメント東京外環道の真実〜」
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