外環3事業者宛((写)を東京都と沿線区市の首長宛)に9月17日付の「東京外かく環状道路の工事における地表面変位データの全面公開を要請します」要請書を郵送し、対応を求めました。
以下はその要請書です。
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2025年9月17日
国土交通大臣 中野洋昌 様
東日本高速道路株式会社 代表取締役社長CEO 由木文彦 様
中日本高速道路株式会社 代表取締役社長CEO兼COO 縄田 正 様
(写)東京都知事 小池百合子 様
(写)世田谷区長 保坂展人 様
(写)調布市長 長友貴樹 様
(写)三鷹市長 河村 孝 様
(写)武蔵野市長 小美濃安弘 様
(写)杉並区長 岸本聡子 様
(写)練馬区長 前川耀男 様
東日本高速道路株式会社 代表取締役社長CEO 由木文彦 様
中日本高速道路株式会社 代表取締役社長CEO兼COO 縄田 正 様
(写)東京都知事 小池百合子 様
(写)世田谷区長 保坂展人 様
(写)調布市長 長友貴樹 様
(写)三鷹市長 河村 孝 様
(写)武蔵野市長 小美濃安弘 様
(写)杉並区長 岸本聡子 様
(写)練馬区長 前川耀男 様
外環ネット
東京外かく環状道路の工事における地表面変位データの全面公開を要請します
I.地表面変位データの測定と公表方法について
現在、東京外かく環状道路(以下「東京外環道」)本線工事は大泉JCTからの北行、南行シールド工事が練馬区内で進められている。
世田谷区内では東名JCTからのAランプのシールド工事、地中拡幅部の工事が行われ、三鷹市と調布市にまたがる中央JCT南側ではBランプ、Fランプのシールド工事が行われている。
陥没・空洞事故を起こした調布市内では、東名JCT発の本線工事が差し止められて、地盤補修工事が行われている。
いずれの地区でも、陥没・空洞事故、地盤変位(隆起・沈下)による家屋損傷、騒音・振動・低周波音健康被害に対する不安が住民を脅かしている。
これに対する事業者の対応は、
1. 地表面変位データを東京外環プロジェクトホームページのニュース欄に月1回ほどの頻度で掲載している。
2. 測定の1週間後に公表されている。
3. 地表面データの数値は、各工事個所に設けた測線(複数)上の最大傾斜角、つまり計測地点間の傾斜角の最大値のみを表示している。
このような公表方法では、工事による影響を心配する住民の安全・安心を確保することができない。
以下のように改善することを、強く要請する。
1.地表面変位データの発表は、傾斜角の最大値だけでなく、各測線の測定点すべての沈降・隆起変位量を一覧表で公表し、地域全体の地盤変位状況が把握できるようにする。
2.地表面変位は、陥没、地盤の沈下、隆起などによる家屋被害の予兆をつかむ重要な指標である。
居住者及び周辺住民の安全・安心を図るうえで、測定後速やかに公表すること。
また過去の測定結果との対比を測定点ごとに時系列グラフで表示すること。
II. 傾斜角1000分の1radを管理値とすることについて
東京外環道事業3者は、「東京外かく環状道路(関越〜東名)東名JCT地中拡幅工事の施工計画などに関するオープンハウスの資料」(令和7年1月10日、11日)の「地表面の影響について」において「東名JCT地中拡幅部においては最大地表面傾斜角が、家屋に影響を与えない地盤変位の目安である地表面傾斜角1000分の1rad以下(日本建築学会小規模建築物基礎設計の手引き)となるよう施工します。」と記載。
また、他の資料においても、「家屋に影響を与えない地盤変位の目安は、地表面傾斜角1/1000rad」としている。
一方、東京外環トンネル施工等検討委員会 有識者委員会の再発防止対策の掘進管理フローでは管理値として扱われており、地表面傾斜角1/1000radの位置づけ・評価が曖昧である。
「小規模建築物基礎設計の手引き」(1988年)の59ページの表6−1「木造建築物の不同沈下障害と変形角」によれば、「変形角(傾斜)の限度」「1/1000」の「段階」は「初期段階」で、「不同沈下障害の状況」は「モルタル外壁・コンクリート犬走りにきれつが発生する」である。
つまり、この値(1/1000rad)は障害が発生する数値である。
事業者がこの記述そのものを東名地中拡幅工事のオープンハウス資料に記載している事実は、被害が生じることを認識していることを示すものであり、安全管理上の整合性を欠くものといえる。
地表に影響が及ばない事業においては、管理すべき値は異常が生じない値とするのが当然であり、また、建築物に異常が発生する値を基準値とすべきでない。
百歩譲って基準値とするなら、異常発生時の補償についても明記しておくべきと考える。
この点について、見解を求める。
III. 近接埋設物への影響について
地下トンネル工事の影響は、地表面の一般住宅(小規模建築物)だけでなく、道路や下水道管などの都市インフラ設備に影響を与える。過去のインフラ被害のひとつは、調布外環陥没・空洞地域の入間川分水路の損傷である。事業者はその補修費を東京都に対して支払っている。
中央JCT南側のランプトンネル工事を開始するにあたって、事業者は数年前に行った事前家屋調査に加えて、同地域(調布市および三鷹市)の下水道管等の事前調査を行い、報告書を自治体に提出している。
この報告書に「都市部近接施工ガイドライン」(2016年1月)(一社)日本トンネル技術協会の「資料表7-17 近接施工における許容値,管理値の実績(上下水、共同溝施設)」が付けられている。
この表をみると、例えば下水管については項目「沈下・隆起」の管理値は「+/-10mm」という鉛直変位量が記載されている。
外環道工事が、初の住宅街下の工事であり、直径16mのシールドトンネル2本を構築するという規模であるだけに、自治体等が管理する住宅地の下水管などの近接埋設物への配慮が必要で、鉛直変位量などによる管理が不可欠であると考える。
この点についても、見解を示されたい。
IV. 再発防止に有効な考え方について
国土交通省近畿地方整備局道路部は平成19年2月、
「地盤条件や施工の巧拙によっては、過度な土砂の取り込みにより地山に緩みや空洞が生じ、場合によっては道路の陥没事故に至り交通支障が発生することがある。
本解説書は、上記のような現状に鑑み、平成17・18 年度に検討委員会を設け、道路陥没事故原因や陥没の発生メカニズムを分析考究するとともにそれに基づく適切な施工管理や事後監視のあり方について検討した結果を取りまとめ(略)、
道路下のシールド工事に対し、事前、施工中および事後の経過観察期間中における道路面下の状況を的確に確認すること、ならびに道路管理者と占用企業者が緊密な連携を常に保つことの重要性を強調した「シールド工事占用許可条件と解説(案)」(以下、「許可条件案」という)を策定した。
外環ネットは、調布での陥没・空洞事故が発生する以前から、この「許可条件案」を道路管理者を地上部と周辺の住民、占用企業者を外環事業者とみなした上で、外環事業に適用するよう何度も申し入れたが、拒否された。
採用していれば、調布陥没・空洞事故を未然に防止できた可能性が高い。
今回の要請に即して「許可条件案」を検討するなら、
@ 地表面沈下量の「管理値」「許容値」「協議値」等の設定を住民を含む関係者間で定めること
A 事前、事後、ならびに工事終了後の経過観察期間において地表面沈下管理、空洞調査、および路面調査を占用企業者の負担において実施すること
B シールド完了後、数年間経過して空洞・陥没が発生する場合があるため、事後調査終了後から観察期間終了までの経過観察期間中、1年毎に空洞調査を実施すること
C 空洞調査は、地表部からトンネル位置までの全深度において実施すること
D 全ての調査・測定結果について、随時報告と協議を求めることができる体制とすること
などが重要なポイントとなる。
こうした点を住民、自治体、事業者間で合意することにより、今後の工事の安全・安心がかなり向上すると考える。
この点についても見解を示されたい。
文書による回答を10月3日までに以下の連絡先宛にください。
また、この件について話合いを求めます。
以 上
この件に関する連絡先: 外環ネット E-mail: info-gaikannet@gaikan.net
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道路住民運動全国連絡会編著 本体2600円 緑風出版
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●東京外環道の真実を伝える本を広めてください!
「住宅の真下に巨大トンネルはいらない〜ドキュメント東京外環道の真実〜」
丸山重威著 東京外環道訴訟を支える会編 本体1600円
推薦:浜 矩子(同志社大学教授) あけび書房
●東京外環道訴訟を支える会のブログはこちらから