その結果、7日以降、隣接する野川の水面に気泡が湧出する事件が発生しています(国・事業者は本件につき3月11日に報告公表)。我々の測定によれば、気泡は、致死レベルの酸素濃度1.4%の酸欠気泡であることが明らかになっています。
外環ネットは、この事態を受けて、2020年3月12日、霞が関の国土交通省を訪問して国土交通大臣に対する抗議・要求文を、道路局高速道路課より大臣あてに届けるよう要請しました。抗議・要請内容は「東京外環、3回も繰り返された(酸欠ガス)漏気事件に抗議する!〜国土交通省は、説明責任を果たせ・陳謝せよ・工事を止めよ〜」とし、今回の野川での漏気事件のより詳細な説明の即刻公表、これまでの虚偽説明に対する謝罪、工事中止を求めました。
詳細は、以下をご覧ください。

国土交通省道路局高速道路課(左)に外環ネット(右)が抗議・要求文を手交
以下は、その緊急抗議・要求文です。
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2020年3月12日
国土交通大臣 赤羽一嘉 様
[写] 関東地方整備局 東京外かく環状国道事務所長様
[写] 東京外かく環状国道事務所 計画課長 木本悠太様
東京都知事 小池 百合子 様
[写] 東京都建設局 三環状道路整備推進部長様
中日本高速道路株式会社 代表取締役社長 宮池 克人 様
[写] 中日本高速道路株式会社東京支社 東京工事事務所長様
東日本高速道路株式会社 代表取締役社長 小畠 徹 様
[写] 東日本高速道路株式会社 関東支社 東京外環工事事務所長様
外環ネット
東京外環、3回も繰り返された(酸欠ガス)漏気事件に抗議する
〜国土交通省は、説明責任を果たせ・陳謝せよ・工事を止めよ〜
〜国土交通省は、説明責任を果たせ・陳謝せよ・工事を止めよ〜
東京外かく環状道路の本線シールドトンネル工事で、3月7日に調布市の野川において、またまたシールドマシン掘削に使用される圧縮空気が大深度地下から野川水面に漏出する事件が発生しました。この事実は住民によっても視認され、国・事業者による一報が昨日3月11日に公表されました。
今回の漏気の原因は、住民がこぞって反対する気泡シールド工法による掘進を、地層が北多摩層から東久留米層にかわる地点において、3月2日から再び強行した結果であり、住民の安全安心に対する国・事業者の軽薄な危機感の現れと言わざるを得ません。
同様のガス漏出事件は、2018年5月〜7月、世田谷の野川に致死酸素濃度の酸欠空気を噴出させ、2019年8月には練馬・大泉ジャンクションの白子川等において酸欠空気を漏出させた事件に続いて今回で3度目であります。これらの事実に対しては、重大な失態を繰り返していると言わざるを得ず、断じて許されるものではありません。
国・事業者は、繰り返される漏気発生および酸欠空気発生の機序をデータに基づいた科学的説明をしえないままに、周辺環境には影響がないとの気泡シールド工法の安全神話を品位なく繰り返し、住民に対する説明責任を全く果たしていません。住民の納得のいく客観的説明を重ねて求めます。
従前、国・事業者は、漏気が抑制できる手段があるかのように説明してきましたが、ここにきてそれが不可能であり、地層を含む地中の状態次第で、漏気の完全抑制が不可能であることを、「添加材に気泡を用いた掘進は、空気の通り道等により漏気の可能性はある」と認めました。
ガス(空気)を使わない工法(泥土加圧シールド工法)は今回使用のシールドマシンでの実績が既にあるにも関わらず、地中・地表部への(酸欠)漏気が抑制しえない気泡シールド工法を住宅密集地の真下で使用することなど言語道断です。国・事業者は、これらの事象が大深度法に違反すること、今後において同じ失態を繰り返すことは許されないことを反省・自覚すべきです。
今回の野川での漏気事件のより詳細な説明を即刻公表すること、およびこれまでに国・事業者が行ってきた虚偽の説明に対する謝罪を求めるとともに、気泡シールド工法による地中・地表部への影響および住民の生命・財産に対する危険性を素直に認め、直ちに工事を中止することを改めて強く要求します。
以上
問合せ先:省略
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